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子宮頚ガンを予防するワクチン
女性の子宮頚ガンを予防するワクチンが日本でも認可されました。10才以上の女性に3回接種することによって子宮頚ガンを予防します。
平成21年12月に販売開始となり接種することができるようになりました。
子宮頚ガンワクチン0.5ccを腕に接種することにより少なくとも10年間は70パーセントが子宮頚ガンになりません。残り30%は健診により早期発見することで予防していく必要があります。未婚・既婚を問わず接種することができます。
「子宮頚ガンのワクチンを積極的に勧奨しない」とは?
2013年6月の朝刊に大きく報道された「子宮頚ガンのワクチンを積極的に勧奨はしない」というのは、自治体が住民に子どもさんの子宮頚ガンのワクチンをしたほうがいいですよとは言いません、ということです。
「国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきでない」と厚労省は言っています。 子どもさん、親がこのワクチンは子宮頚ガンにならなくするワクチンだから、医療機関にして下さいと言って、接種するのは良いですということです。ワクチン代ももちろん無料だし、何か副反応があっても補償が受けれます。
数年前の日本脳炎ワクチンや3年前の髄膜炎のワクチンの時と同じことを厚労省はしているわけです。
私共は役人ではないのでこういう制約は受けていません。また、医学的にワクチンをしたほうがいいと思っています。ですから、親御さんの希望があればします。現に報道の翌日に一人の中学生が親と一緒に受けにこられました。もちろん報道のことはわかっていて接種にこられたのです。
ただし、テレビで短時間放映された患者さんの症状(足の震え等)を見て、大変な苦痛を患者さんやご家族が被っていると衝撃を受けました。お気の毒だと思います。一刻も早く回復されることをお祈りしたいと思います。
通常は、接種後の局所の痛みは2〜3日は続きます。でも利益のほうがはるかに大きいので、接種したほうがいいと思います。
ちなみに、このワクチンが日本でできるようになって、当クリニックで第1号で接種したのは私の娘でした。
(1)子宮頸がん発症のリスクとワクチンの効果について
(2)現在、ワクチンは積極的勧奨が一時中止されていること
(3)ワクチン接種で、CRPSが起こる可能性があること等について説明をして接種を受けて頂くつもりです。
<補足記事>
今、問題となっているのは「複合型局所疼痛症候群」Complex regional painsyndrome(CRPS)というのが、子宮頚ガンワクチンで起こっているのではないかということです。
CRPSとは、外傷(骨折・打撲・捻挫・注射など)をきっかけとして、慢性的な痛み(慢性疼痛)が起きます。慢性疼痛に加えて、局所の浮腫、皮膚温度の異常、発汗異常などの症状を伴うこともあります。手足を動かせなくなったり、もともとの外傷を受けた部位だけでなくて、全身に広がって行く事があるらしいです。
このCRPSについて、他のワクチン接種や点滴、採血、献血などでも起こりうる可能性があり、頻度は50万〜150万接種に1回。子宮頚ガンワクチンは現在のべ約820万接種され、現在も回復されていないCRPSの方は8例報告されています。
一方、子宮頸がんは20〜40歳までの若い方の発症が増加しています。新たに年間約15000人の方が発症し、約3500人の方が亡くなられているそうです。