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ワクチン(予防接種)
ここ2〜3年前から日本もようやく欧米並みにワクチンの数が増えてきました。ワクチンの最大のメリットは比較的安いのにその効果が大きいことです。例えばB型肝炎ワクチンは1回5〜6000円位(医療機関により価格が違います)ですが、もし肝炎になってインターフェロン等の治療をすることになれば、何十万円〜何百万円もかかります。進行すれば肝硬変、肝ガンとなります。欧米はもちろん中国、ブラジル等々の国でもこのワクチンは出生児にすべて接種しています。日本ではB型肝炎の保菌者のお母さんから生まれたお子さんのみにしています。これではB型肝炎の蔓延を防ぐ事はできません。お金だけでなく、勿論、患者さん並びに家族の精神的・肉体的苦痛は大変なものです。B型肝炎ウイルスは輸血だけでなく、保菌者の体液(特に血液)と接触した場合、分娩時のウイルスの伝搬などが感染の主な原因です。
お母さん方の中に今だにワクチンに対して、勘違いした考え方をお持ちのかたがおられます。
例えば、その病気に感染したほうがしっかりした免疫がつく。細菌、ウイルスと闘って体を強くする。今までそのワクチンをしなくても何ともなかったのだから、今さらそのワクチンをして何か変わったことが起こるのではないかという考えです。以上の考えは残念ながら今の時代の子育てとしては少しずれています。たまたまワクチンをせずにその病気になっていなくても、いつか必ずその細菌、ウイルスと遭遇するでしょう。何せ日本人の寿命は長いのですから。年令を重ねるにつれて、中年以降、免疫機能は確実に低下します。子どものうちにワクチンで免疫をつけておくほうが、その後に細菌、ウイルスの攻撃にあっても、さらに免疫力が増幅されてその病気になりにくくなります。
日本で一番問題なのはワクチンを定期接種、任意接種という言葉を作って、定期は公費負担、任意は負担しませんというふうにしたことです。こんなばかなことはありません。すべてのワクチンは等しくすべて受ける権利が子どもにはあるし、少なくとも日本が先進国というからにはワクチンはすべて公費にする必要があります。予算がないというかもしれませんが、国の未来を担う子どもにお金をかけることより、価値のあるお金の使い方があるのでしょうか。
是非、子どもにワクチンを受けさせてあげて下さい。それが子どもへの大きな贈り物になることを期待しています。